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​タイムラプス 自在金具

会期:2024年9月17日(火)-9月29日(日)※月曜休廊
時間:10:00-18:00
会場:River Coffee & Gallery
東京都文京区西片2-21-6 紅谷ビル1F

https://rivercag.com/

​※展示風景を撮影するのを忘れました。反省・・・・・

「タイムラプス 自在金具」 タイムラプス(Time-lapse)は、撮影した静止画の連続を繋ぎ、動画としてみせる撮影技法のこと。人間の目には止まってみえるほど遅い動き(植物の成長や星の動きなど)を早送りのような映像としてみせたり、自分の作品の制作工程をみせるときにも使え、SNSなどでも頻繁にみかける。 (逆に鳥虫の飛翔や水滴が落ちる瞬間のような、肉眼では捉えられない一瞬をみせる方法として高速度撮影もある。) 自在金具は、1本の紐を伸ばしたり短くしたりできる金具のこと。 絵をピクチャーレールに吊り下げるとき高さを調整できる器具であるワイヤーフックも、「自在」「ワイヤー自在」「自在金具」などと呼ばれたりする。 「本来長いものを短くできる」という意味で、このふたつは似ている。タイムラプスは「間」を抜き取り、実際の時間とはすこし別のものにつくりかえてみせることができるし、自在金具は紐をその都度適切な長さに伸縮できる。ワイヤーや糸は、一本に見えるけれど実際にはいくつもの繊維のねじり合せでできている。 記憶や時間の感覚は、正確に覚えていそうなことでさえ、けっこう不確かで、ひとはその都度、思い出したりまた忘れたりする。ある出来事をよく思い出そうとするその瞬間、シーンの尺が伸びたり、手前のシーンが縮んだりすることがあるようなかんじがする。

「羊毛フェルトで最近作品をつくっていることについて」 羊毛フェルトは、専用の針でひたすらちくちくとつつき続けることで、繊維の密度が増し、造形できる素材です。マスコットキーホルダーなどが気軽につくれるので、手芸用品店などに売っていて、人気キャラクターの制作キットなども販売されていたりします。 絵画は、(原則として)筆のストロークの上下左右、長短、筆圧、顔料の濃度などの差異の集積でできるものです。支持体というコアがあり、その正面に絵具をこすりつけ、更に重ね、たまにちょっと拭き取ったりなどしながらできていきます。 羊毛フェルトの基盤となる支持体は、繊維をちくちくと針でつつくことでおぼろげに出来上がっていきます。土台をきちんとつくるのには意外と結構時間がかかるし、一見ふわふわとボリュームのある羊毛は、つつけばつつくほど、みるみる小さくなるため、大きくしっかりしたものをつくろうとすると、思いの外たくさんの羊毛が必要になる。今回の立体作品の中で比較的大きめなものは、芯が羊毛ではないものでつくられました。色は絵の具のように気軽に調色することができないため、メーカーさんが作った色のバリエーションから選ぶことになります。今回わたしは、市販の毛糸を羊毛にくっつけたり、糸の撚られた繊維をほどきながら使ったりもしました。 このような羊毛フェルトを使ってみると、制作という行為に含まれる、当たり前のようなことを新鮮に捉え直すきっかけになる気がします。 造形という行為の、自由なのか不自由なのかよくわからない感じ。土台を作ること、ときにはそれをあり合わせのものでこしらえること。誰か(羊)のからだの一部をつかって制作していること。羊毛に限らず、たとえば基本的な画材のひとつである膠は動物の骨や皮膚でできているし、胡粉は貝がらを砕いたものです。 そして、羊毛フェルトを用いてつくられるものたちについて。もちろんつくられるものや現場はさまざまですが、それらの中には、「趣味」のようなものづくりも含まれるでしょう。 たとえば、画材・手芸用品を幅広く取り扱う販売店であるアークオアシスには、「趣味の大型専門店」というタグラインがつけられています。 ひょっとすると、趣味の場でつくられた創作物は、ハイ・サブ・メイン・カウンターカルチャーのいずれにも該当しないものが多いのかもしれません。 でも案外人は、「なんとなく」ものをつくってしまうことがある。 雪が積もると雪だるまをつくるように。なぜか。 そんなことをおもいながら、羊毛フェルトで最近作品をつくっています。

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